アウトドアナイフとは?

アウトドアナイフとは、アウトドア活動で、食材のカットやロープの切断、薪割りなど様々な作業に利用されるナイフ全般を指します。
いろんな場面で活躍してくれるので、キャンプや登山をするときには必ず持っておきたいアイテム。しかし、素材や形、適した用途も様々で何を選べばいいか迷いますよね。
今回は、アウトドアナイフの種類や選び方、使用するときの注意点までを詳しく解説します。ぜひ、参考にしてくださいね。
アウトドアナイフの種類

アウトドアナイフは3種類あり、それぞれ構造や特徴が異なります。そのため、どのようなシーンで使用するかを考えて選ぶことが大切です。
ここでは、各タイプの違いや特徴について詳しく解説します。
シースナイフ

シースナイフとは、刃が鞘(シース)に収まるタイプの固定刃ナイフです。構造がシンプルなため、強く頑丈であるところがポイントです。
専用の鞘に納めて使用できるので、安全で持ち運びにも便利。力を入れやすいため、魚の下処理などの繊細な作業から、薪割りなどのハードな用途にまで幅広く対応できます。
また、切れ味が落ちた際にはメンテナンスがしやすいので長く使用することができるのも、シースナイフのメリットといえるでしょう。
フォールディングナイフ

フォールディングナイフは、刃を折りたたんで収納できるナイフのことです。ハンドル部分に刃を収納できるので、専用のケースが不要。コンパクトに持ち運びができます。
ロック機能が付いているモデルも多く、3種類の中で最も安全性に優れているといえます。
食材を切ったりロープを切断したりと、アウトドアの様々なシーンで活用できます。折りたためる反面、シースナイフに比べると頑丈さには劣る傾向があります。
ツールナイフ

ナイフのほかにも缶切りや栓抜き、はさみなど幅広いツールが備わっている多機能ナイフです。アーミーナイフ、マルチツール、十徳ナイフとも呼ばれ、アウトドアやDIY、災害時などでも活用できます。
さまざまなアイテムをひとまとめにして持ち運べる点が最大の魅力です。
一方で、ほかの2種類に比べるとナイフの刃渡りが短いものが多く、用途も限られてきます。また、備わっているツールもそれぞれ専用のアイテムより耐久性や使い勝手が劣ります。
アウトドアナイフのおすすめ10選
アウトドアナイフの選び方

アウトドアナイフは、種類による違いのほかにも素材やデザインなども商品ごとに異なります。ここでは、最適なナイフを選ぶために確認したいポイントを4つ紹介します。
刃の素材で選ぶ
刃の素材は大きく分けて「ステンレス」と「カーボンスチール」の2種類が存在します。それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。
| 素材 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ステンレス | ・さびにくい ・刃こぼれしにくい ・軽量 | ・切れ味がやや弱い ・研ぎにくい |
| カーボンスチール | ・切れ味が鋭い ・研ぎやすい ・耐久性がある | ・さびやすい ・定期的なメンテナンスが必要 |
これらの特徴を踏まえると、初めてナイフを購入される方や、お手入れに時間を取られたくない方はステンレス素材が、切れ味を重視し、自分だけのナイフを手をかけて育てたい方にはカーボンスチール素材がおすすめです。
刃の形状で選ぶ
刃の形状は切れ味に大きく影響します。そのため、素材と一緒に確認しておきましょう。代表的な刃の形状は、フラットグラインド、コンベックスグラインド、ホローグラインドの3種類です。
| 刃の形状 | 特徴 | 適している用途 |
|---|---|---|
| フラットグラインド | 刃の断面図がV型になっている形状。強度が高く切れ味。重量・研ぎやすさのバランスが良い。 | 食材カット 木工 |
| コンベックスグラインド | 刃の断面図が膨らんで見える形状。重量があり、強度が最も強い。 | 薪割りなど負荷のかかる作業 |
| ホローグラインド | 刃の途中からえぐれるようになっている形状。シャープな切れ味で薄くて軽い。 | 料理などの細かい作業 |
グリップの握りやすさで選ぶ
安全にアウトドアナイフを使用するためには、手が滑ってナイフを落とさないようにグリップが握りやすいかを確認することも重要です。
グリップ部分の素材や凹凸が自分に合っているものを選びましょう。特に太めの丸みを帯びたグリップ、木製やエラストマー素材が握りやすい傾向にあります。
左利きの方は、安全に使用するためにも左右両方の手で使用できるものをおすすめします。
ロック機能で選ぶ
折り畳み式のフォールディングナイフやツールナイフにはロック機能が備わっているものも。ロックを解除しないと刃の収納や引き出しができないので、操作ミスによるけがの可能性が低くなります。
初心者の方やポケットに入れて携帯しておきたい方は、ロック機能の有無も確認しておきましょう。
知っておきたい!アウトドアナイフの人気ブランド3選
MORAKNIV / モーラナイフ

スウェーデン中部のモーラ地方で生まれた「モーラナイフ」は130年の歴史を誇るナイフブランド。その品質は、スウェーデンをが代表する企業のみに与えられる王室御用達の認定を受けています。
特にシースナイフに定評があり、高品質なスウェーデン鋼のブレードと握りやすいグリップが特徴です。工業化による大量生産で、高い品質と手ごろな価格を両立しており、世界中から愛されています。
OPINEL / オピネル

135年の歴史を持つ、フランスの老舗ナイフブランドです。シンプルで機能的なデザインが特徴で、ピカソをはじめ多くの芸術家や冒険家に愛されています。
特に「ビロブロック」と呼ばれる独自ロック機構を搭載した、木製ハンドルの折りたたみナイフが有名です。1985年にはヴィクトリア&アルバート美術館の「世界の美品100特選」にも選ばれています。
VICTORINOX / ビクトリノックス

スイスに本社を置く140年以上の歴史を持つブランドです。ナイフや腕時計、トラベルグッズなど、機能的で革新的な製品を幅広く展開しています。特に世界的に有名な多機能ナイフの「スイスアーミーナイフ」は、日常やアウトドア活動での幅広いシーンに対応できます。
ビクトリノックスのナイフは実際にNASAの宇宙飛行士の標準装備品として正式に採用されており、宇宙でも大活躍しています。
長持ちするアウトドアナイフのメンテナンス法

汚れを落とす
手を切らないように注意しながら中性洗剤で良く洗ってください。その後、60度のお湯で、3~5分ほど流しましょう。
洗い終わったら乾いた布で水分をよくふき取り、十分に乾かしましょう。折りたたみ部分がある場合は接続部分もしっかりと水分をふき取ります。
防さび用オイルを塗る
刃物は放っておくと、切れ味が落ちてしまいます。長く使用するためには必ずさび対策をしましょう。さび対策には、ツバキ油やオリーブオイルを薄く塗るのがおすすめです。サラダ油などの植物性の油でも代用可能です。
1か月から3か月に1回はメンテナンスをしましょう。ステンレスの場合は油を塗布する必要はありません。
鞘もよく乾かす
鞘も乾かすことが重要です。特に革や木でできた鞘の場合は、水分が付いたままだと刃のさびの原因になります。鞘自体も洗って乾かすようにしましょう。
アウトドアナイフを持ち運ぶ時は銃刀法に注意!

銃刀法
銃刀法では、「刃体の長さが6cmを超える刃物は正当な理由なく携帯してはならない」とされています。この場合の「正当な理由」にはキャンプや釣りも入りますので、調理や薪割りのためにナイフを携帯することは違反ではありません。
軽犯罪法
軽犯罪法においては「刃渡りの長さに限らず、正当な理由なく刃物などの危険物を隠して携帯していた者は刑罰の対象になる」と規定されています。この場合も、キャンプなどは「正当な理由」に当てはまります。
所持の仕方によっては法律に触れる恐れがあるため、保管には注意が必要です。
まとめ
アウトドアナイフは、キャンプや登山などのアウトドアシーンで欠かせない必需品です。用途やデザインに合わせて自分に合った一本を選ぶことで作業効率や安全性が大きく変わります。
ぜひ、あなたのアウトドアライフにピッタリのナイフを見つけてみてくださいね。










