ソニーのワイヤレスイヤホンはまず2段階で選びます。自分がどちらに当てはまるか確認してみましょう。

1. とりあえず一番いいやつがほしい
2. 買ってから絶対に後悔したくない
3. 高性能は魅力的だけど、3万円は高すぎる

「1」「2」を選んだ方は、最新フラグシップモデル「WF-1000XM5」で決まりです。本記事で紹介している他モデルと比較してほぼすべての点で優れており、今、ソニーのワイヤレスイヤホンを購入するならば、間違いない選択肢と言えます。

一方、3万円は手が出ない方も「何を重視するか」を明確にすることで、自分に合った一台が選べます。ソニーのワイヤレスイヤホン選びでチェックすべきポイントは、ズバリ5点です。

1. ノイズキャンセリングが必要か
2. 音質の好みがあるか
3. 最新の機能にこだわるか
4. 予算の価格帯がどのくらいか

「通勤・通学時に静寂が欲しい」「迫力の重低音で音楽に浸りたい」などの使用シーンを明確にすると、選ぶべきモデルは自然と絞られてきます。

内蔵されたマイクで周囲の騒音を拾い、その音を打ち消す特殊な音波を出す機能です。電車や飛行機の「ゴーッ」という騒音、カフェのざわめきはもちろん、エアコンの動作音や空気清浄機といった自宅での生活音を大幅に低減してくれます。

ノイズキャンセリングとは逆に、内蔵マイクで周囲の音を拾い、音楽と混ぜて耳に届ける機能です。「アンビエントモード」などとも呼ばれます。ランニング中に車の接近音に気づいたり、駅でアナウンスを聞き逃さなかったりと、安全性を確保しながら音楽を楽しめます。

また、自宅でのテレワーク中に、音楽を聴きながらも家族の呼びかけやインターホンの音に気づきたいといったシーンでも活躍します。

製品ごとに得意な音域があり、それによって音楽やコンテンツの聞こえ方が変わります。

• 低音重視モデル：ズシンと響くような重低音が特徴。ロック、EDM、ヒップホップなどの音楽や、迫力あるアクション映画・ゲームに最適です。

• バランス重視モデル：特定の音域を強調せず、ボーカルの声や楽器の音をクリアに鳴らすタイプ。J-POPやアコースティック、クラシックなど、繊細な音の表現を楽しみたい方におすすめです。

• 高解像度（ハイレゾ対応）モデル：CDよりも遥かに情報量の多い「ハイレゾ音源」の再生に対応したモデル。まるで目の前で演奏しているかのような、アーティストの息遣いや空気感まで感じられる、ワンランク上の音質を求める方に適しています。

コーデックとは、Bluetoothで音声を送る際の「圧縮方式」のことです。この方式によって音質や音の遅延が変わってきます。再生機器（スマホなど）とイヤホン側が同じコーデックに対応していないと、その性能は発揮されません（自動的にSBCなどで接続されます）。

例えば、iPhoneユーザーが「ハイレゾ」「LDAC」といった高音質対応ヘッドホンを購入しても、iPhoneでは標準音質の「AAC」でしか再生できず、期待した音質は得られません。

特に音質やゲームでの低遅延を重視する場合は、ご自身のスマホがどのコーデックに対応しているかを確認し、それに合った製品を選びましょう。

• ダイナミックドライバー（DD型）： スピーカーと同じ原理で、幅広い音域を鳴らすのが得意です。特に「ズシン」と響くような、迫力のある低音を再生する力に優れています。ロックやEDMを好む方におすすめです。

• バランスド・アーマチュア（BA型）： もともと補聴器用に開発された技術で、非常に繊細で解像度の高い中高音域の再生が得意です。ボーカルの息遣いや、ギターの弦を弾く細かな音までクリアに聞きたい方におすすめです。

• ハイブリッド型 ：低音が得意なDD型と、高音が得意なBA型を両方搭載した「良いとこ取り」のタイプです。

スマートフォン、PC、タブレットなど、複数の機器とのペアリング情報を記憶し、いつでも接続する機器を切り替えられる機能です。家族間で共有する場合にも役立ちます 。

何台までペアリング情報を記憶できるか（ペアリング台数）を確認しましょう。台数が多いほど、機器を切り替える際の再設定の手間が省けます。

複数のデバイスを同時に使う方は、「マルチポイント接続」に対応しているかを必ず確認しましょう。これに対応していれば、PCとスマートフォンに同時接続し、PCで音楽を聴いている最中にスマホの電話に出る、といった操作が自動で切り替わり、非常に快適です。

ワイヤレス製品を選ぶ際は、スペック表の「連続再生時間」を必ず確認しましょう。片道1時間の通勤・通学なら、イヤホン本体で最低5〜6時間は欲しいところです。

旅行などで長時間使う方は、充電ケースと合わせて合計20時間以上再生できるモデルを選ぶと安心感が格段に上がります。

現在主流の充電端子は、スマートフォンの多くで採用されている「USB Type-C」です。他の機器とケーブルを統一できるため便利です。

さらに、充電パッドの上に置くだけで充電できる「Qi（チー）ワイヤレス充電」に対応していると、ケーブルを抜き挿しする手間さえなくなり、より快適です。

まずは安いものから試してみたいという初心者の方におすすめの価格帯です。基本的な接続や通話は問題なく行えますが、ノイズキャンセリングなどの付加機能は非搭載か、性能が控えめなものが中心です。

ノイズキャンセリングや外音取り込み機能、マルチポイント接続など、人気の付加機能を搭載したモデルが豊富に揃います。音質と機能のバランスが良く、多くの方にとって満足度の高い選択肢が見つかります。

各メーカーのフラッグシップモデルが中心となる価格帯です。業界最高クラスのノイズキャンセリング性能や、LDAC対応の高音質、空間オーディオなど、妥協のない最高のオーディオ体験を求める方に適しています。 

ソニーのイヤホンを長く愛用するためには、日々のメンテナンスが大切です。特にワイヤレスモデルは精密機器のため、扱い方ひとつで寿命が大きく変わります。

使用後は汗や皮脂を柔らかい布で拭き取り、イヤーピースは定期的に取り外して洗浄しましょう。水洗い可能なシリコン製イヤーピースでも、ドライ後にしっかり乾かすのがポイントです。

また、長期間使わない場合は満充電または空の状態を避け、50％前後で保管するのが理想的。バッテリーの劣化を防ぎ、長持ちさせることができます。充電ケースも定期的に掃除し、接点部分の汚れを防ぐと接触不良の予防になります。

LDACは、ハイレゾ音源をワイヤレスで伝送できるソニー独自の高音質コーデックです。これを利用するには、イヤホン側とスマートフォン（または再生機器）側の両方がLDAC対応である必要があります。最新のAndroidスマートフォンの多くは対応していますが、iPhoneは非対応です。

通勤や飛行機など騒音の多い環境ではANC（ノイズキャンセリング）が効果的です。一方で、会話や屋外ランニング時には外音取り込みモードが便利。最近のソニーモデルは両機能をワンタッチで切り替えできるため、使用シーンに合わせて使い分けましょう。

ソニーでは、片側イヤホンのみの購入・交換が可能です。サポート窓口や公式修理サービスで手続きを行えば、同一モデルの片耳だけを再発行できます。紛失を防ぐためには、ケース収納を習慣づけることも大切です。

完全ワイヤレスイヤホン（WFシリーズ）は基本的に有線接続非対応ですが、ヘッドホンタイプ（WHシリーズ）ではケーブル接続できるモデルもあります。音質重視のリスニングや遅延を避けたい用途では、有線対応モデルを選ぶのがおすすめです。

イヤーピースのサイズや素材を変更すると大きく改善します。ソニー純正のハイブリッドイヤーピースやフォームタイプへの交換が有効です。また、装着角度を微調整して耳への圧力を分散させることで、疲れを軽減できます。

ソニーのワイヤレスイヤホンは、音質・機能・デザインのすべてにおいて高い完成度を誇ります。ノイズキャンセリング性能やLDAC対応など、どのモデルも独自の魅力を持っており、使う人のライフスタイルに合わせた最適な一台がきっと見つかります。

長く快適に使うためには、正しいお手入れと保管も大切。自分に合ったモデルを選び、ソニーのクリアで豊かなサウンドを長く楽しみましょう。