まずは、季節性を加味した1人暮らしの都市ガス代目安を解説します。

初めての一人暮らしでは、ガス代の相場がわからない人も多いですよね。まずは毎月どの程度のコストがかかるか、知識として知っておきましょう。

※ 算出方法は一人暮らしの月間平均消費量14m3に季節性を加味し、冬季+43%・夏季-31%に増減した上で、東京ガス2025年4月検針分の原料費調整額反映後の料金にて試算。

春夏秋冬を各3ヶ月と仮定して計算すると、12ヶ月の合計金額は36,328円となります。

実際には使い方によって具体的な料金は変動するものの、年間で3.5〜4万円が平均的な1人暮らしの都市ガス代です。

ガスの契約はスマートフォン契約のように複雑ではないため、ほとんどの人が簡単に行えます。流れは以下をご覧ください。

引越し先でガスを新たに契約する場合は、名前と連絡先、そして開栓先の住所が必要です。

またWEB申し込みの多くが同時に支払い登録も行うため、銀行口座かクレジットカードが必要になります。

今使用している住所でガス会社の切り替えを行う場合は、現在の契約者の名義とお客様番号・供給地点特定番号、そして支払い情報が必要になります。

ちなみに、ほとんどの会社で旧ガス会社への連絡は不要です。

都市ガスの会社選びは実は簡単です。「キャンペーン」か「信頼できる大手」どちらを基準にするか選ぶだけでほぼ決まります。

1人暮らしではそもそものガス消費長自体が少ないため、どの会社を選んでもそこまで料金に差がつきません。

具体的に言うなら、1人での使用量ならあっても年間1,000円程度の差で、しっかり自炊をしても年間2,000〜3,000円程度の差額です。

都市ガスは電気ガスセットにすると安くなるのでは？と思う方は多いですよね。結論、電気ガスセットも割引はさほど大きくありません。

1つの会社の電気ガスセットにすると、手続きが簡単になるのはメリットです。しかし、料金面で有利なわけではありません。

ポイントはあってもほとんどの会社が0.5％のポイントで、1人暮らしの利用料金では数十円分にしかならず、選択の基準にするほどではないです。

また都市ガスは多くの会社でその他の項目もほぼ横並びです。

• 解約金→どこもなし
• クレジットカード→どこでも使える
• 会社の大きさ→都市ガス事業を手がける時点で中堅以上
• 手続き→どこでも同じ

ここまで解説した通り、都市ガスはどの会社を選んでも料金に大きな差は出ないため、料金以外を比較要素として検討するのが現実的です。そこで違いが出るのが「会社の信頼性」と「キャンペーン」です。

上記の会社は主に関東地方で代表的な大手で安心感があります。

実は都市ガス単体のキャンペーンは少ないです。そのため、キャンペーンの多いエルピオ都市ガスは貴重ですよ。

このランキングは、キャンペーン含むお得額・会社の信頼性・手続の簡単さを軸に総合的に判断し作成しています。

• 関東エリアのおすすめランキング
• 関西エリアのおすすめランキング
• 中部エリアのおすすめランキング

1人暮らしのガス代は、ほぼ「お風呂」と「自炊」が占めます。ここではそれぞれでガス代を節約する方法を解説します。

家の中でもっともガスを消費するのがお風呂関連です。お風呂場でガスを節約する方法を、効果のインパクトの大きい順にご紹介します。

※ 水道代は0.24円/L、シャワーの水量は1分あたり10Lで計算
※ 都市ガス代は160円/m3で計算

お風呂とシャワーはどっちが安いの？は誰しも思う疑問ですよね。結論、1人暮らしなら毎日湯船に入るよりシャワーで済ませたほうが安いです。

この通り、1ヶ月に直すとほぼ1,000円分の差額です。
この計算だと「都市ガスで23分まで」がシャワーが安い損益分岐点です。ちなみにプロパンガスだと「16分」です。

次に効果が大きいのは、シャワーの湯量の節約です。

• シャワーの時間自体を短くする
• こまめに手元で止水できるシャワーヘッドを使う
• 節水になるシャワーヘッドを使う

といった手段があります。たとえば25％の節水シャワーヘッドなら、1,830円→1,372円と約458円のコスト削減に！

湯量の節約が一番大きな節約になるため、意識してみるのをおすすめします。

ガスの消費量は、水温が低い時間に湯沸かしをすればするほど多く必要になります。つまり、冬場はなるべく水温が下がり切らない夕方に湯沸かし・シャワーするのが節約になります。

外気温ごとの入浴時のガス代

※ 前提条件を都市ガス台160円/m3、給湯器の熱交換効率を効率80%、ガス1m³の発熱量：43.14MJとした場合

節約を徹底したいなら、給湯の設定温度下げるのも有効です。1℃下げるだけでも、10分間で約1.65円の節約になると試算が出ています。

※ 前提条件をシャワー10分でガス代37円、給湯器の熱交換効率を効率80%、水温16℃を40℃へ加熱するものとした場合

最近ではIHコンロも増えてきましたが、まだまだガスコンロをメインに使用している家庭も多いです。キッチンでもガスの使用方法やちょっとした工夫でガス代を節約できます。

最近ではコンロを使わない調理法の情報も多く出回っています。レンジで調理、オーブントースターで調理など、レシピを探してみるのもおすすめです。

また野菜の下茹では電子レンジを活用すると、年間860〜1,000円ほどの節約になると、資源エネルギー庁のポータルサイトで試算も出ています。

鍋で湯沸かしの際には蓋をした方が、熱効率が上がり時短・省エネになります。

また、同じ水量なら底面が大きいほど熱効率がよく、早くに全体が温まります。

水を沸騰させる場合、鍋ややかんの水をそのまま沸騰させるよりも、給湯器から出したお湯を沸騰させる方がガス代が安いです。以下は20℃のお湯1Lを沸騰させるときのコストです。

※ 都市ガス1m³ あたり40,000 kJのエネルギーとして熱効率を元にカロリー計算しガス代を試算
※ ガス代160m3/円の場合
※ 給湯器のお湯は60℃と仮定

たとえば、コンロから下ろした後も余熱調理ができる保温調理鍋を使用すると、煮込み料理のガス代が節約できます。ピンとこない方のために商品名をあげるなら、サーモス社のシャトルシェフが有名です。

ここでは初めて一人暮らしをする・初めて自分で契約を行う方に向けて、賃貸物件のガス契約に関する情報をまとめました。

賃貸物件のガス契約を自分で自由にできるかどうかは、物件の契約状況により異なります。

・光熱費込み物件&光熱費込み契約の場合

・光熱費に言及のない物件の場合

電気・都市ガスは自由化によって選択肢が広がりましたが、プロパンガスはアパート単位で決められています。ほとんどの場合で大家さん・管理会社が指定するプロパンガス会社と契約することになります。

1人用の集合住宅に多い、アパート全体で電気ガス契約を済ませている物件です。住居者は「共益費」「諸経費」などの名目で固定の額を徴収されています。

しかし、1人暮らしの光熱費としてはやや割高な傾向があります。

社宅や社員寮のほとんどは、入居者それぞれで電気ガス水道を契約します。会社の福利厚生の一環で家賃補助や寮が用意されていても、多くの場合で光熱費は含まれません。

退去する場合は、一週間前までには連絡が必要です。引越し先の地域では同じガス会社が使えない可能性もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

東京の都市ガスとプロパンを比較しましょう。

※ 都市ガス…東京ガス（2025年4月料金）にて計算
※ プロパンガス…プロパンガス消費者協会が公表する東京都平均値にて計算

このような結果となりました。毎月の平均消費量で計算するとわかる通り、プロパンガスはかなり割高です。

残念ながら利用できません。

プロパンガスはガスボンベを物件に設置しますが、都市ガスは地中のガス配管から供給するため、仕組みは全くの別物です。

そもそも、その地域に都市ガスの配管が来ていなければ使用することすらできません。プロパン物件は、都市ガスがそもそも利用できない地域の場合も多いです。

一番の懸念は、都市ガス←→プロパンガスと切り替わった際のガスコンロの対応です。実はガスコンロは、都市ガス用とプロパンガス用とに分かれており使い回しができません。

ガスコンロが備え付けの物件なら問題はありませんが、購入している場合は都市ガス→都市ガスのように同じ種類の物件への引越しの方が手間が減ります。

ここでは、新ガス会社やガス会社によくある質問をまとめて紹介します。少しでも疑問に思う不安は契約前に解決しておきましょう。

ガス自由化とは「2017年の都市ガスの小売全面自由化」を指します。

今までは大手都市ガス会社（東京ガス・大阪ガス・東邦ガスなど）のみが都市ガスの小売業務を行なっていましたが、その制限を取払い新たな会社も都市ガス事業に参入できるようになりました。

ガス自由化とは？｜東京ガス　

都市ガス自由化で新たなガス会社が登場し、高止まりしていた料金に競争が生まれました。

それによって、大手ガス会社よりも安い料金のプランも増えています。しかし、都市ガスはもともと価格が安いため、電気ほどのお得感は得られない場合が多いです。

新ガスの料金が安い理由はガスを供給する仕組みにあります。新ガスは都市ガスの供給に関わる設備の大部分を、従来の大手ガス会社に対価を支払い使用しています。

その結果、新ガス会社はガス設備への投資を抑えられるため料金を安く設定できて、さらに価格競争につながります。

安定して使えます。設備は大手都市ガス会社のものを利用するためです。

新ガス会社でも上記の理由から、受け取るガスの品質は変わりません。

もし新ガス会社が倒産した場合は、お住まいの地域にある大手ガス会社が電気を肩代わりして供給します。そのため万が一の際にも、ガスが止まることなく安心して使えます。

制度自体はもちろん全国で適用です。しかし、実際には肝心の新ガス事業者が少ない・ない地域もまだあります。東北地方・北陸・中国・四国地方などはその傾向が強く、都市ガス普及率の低い県ほど新ガス事業者の参入は少ないです。

もっとも、都市ガス普及率が低い地域はプロパンガスが主流で、プロパンガスはもともと自由料金のため乗り換えに制限はありません。

都市ガス料金については、年間数万円もの差が出ることはほぼありません。

プロパンガス料金の場合は、年間数万円の差が出ることがあります。

都市ガスの場合はそれならどこを選んでも変わらないのでは？と思われるかもしれませんが、緊急時の対応や、ガス漏れや事故などのトラブル対応は差が出る場合があります。

また環境にやさしいエネルギーにこだわりのある人は、会社の理念なども確認するべきです。

まとめると、都市ガスの場合は会社を変えても大きな失敗はしないため、比較的柔軟に会社の変更ができます。

経済産業省エネルギー庁によって行われるの電気ガス料金の補助事業です。

主に円安とウクライナ戦争による燃料高騰に対応する施策で、最初に開始されたのは2023年1月に開始されたの「電気・ガス価格激変緩和対策事業」です。2024年、2025年も電気代の補助は夏季に、

▼電気の過去の割引施策

2023年1月～8月使用分（2023年2月～9月請求分）　7.00円／kWh

2023年9月～12月使用分（2023年10月～2024年1月請求分）　3.50円／kWh

2024年1月〜4月使用分（2024年2〜5月請求分）　3.50円／kWh

2024年8月〜9月使用分（2024年9〜10月請求分）　4.00円／kWh

2024年10月使用分（2024年11月請求分）　2.50円／kWh

2025年7・9月使用分（2024年8・10月請求分）　2.00円／kWh

2024年8月使用分（2024年9月請求分）　2.40円／kWh

▼都市ガスの過去の割引施策

2024年8月〜9月使用分（2024年9〜10月請求分）　17.50円／m3

2024年10月使用分（2024年11月請求分）　10.0円／m3

2025年7・9月使用分（2024年8・10月請求分）　8.0円／m3

2024年8月使用分（2024年9月請求分）　10.0円／m3

※プロパンガスは都道府県により異なる

ここではガス契約にまつわるトラブルと、それに関しての注意事項をまとめました。

「契約している電力会社名を名乗って業者が訪問した。安い電気プランの話があり、契約会社のプラン変更のつもりで話を聞き、申し込んだところ、後で別業者と契約したことに気づいた。クーリング・オフしたい。」

出典｜国民生活センター「電気・ガスの契約トラブル」

これは訪問業者が誠実でなく、騙すような形で電力契約に持ち込んだ例です。ガスでも同様のことが行われています。訪問での契約はトラブルが特に散見されるため、ドアをあけずにインターホンで対応する癖をつけましょう。

「電気が安くなると言われ、アパート全体で電力会社を切り替えると勘違いし検針票を見せ、契約書を書いた。後で契約を断ったが心配だ。」

出典｜国民生活センター「電気・ガスの契約トラブル」

こちらも上記同様、訪問契約でのトラブルです。アパート全体での切り替えとわざと誤認させる手法も古くから使われてきています。

「突然、事業者がやってきて「安くなるので賃貸アパートの他の住人全員が契約した」と都市ガスの契約先の変更を勧められたので、契約することにしたが、後から契約書の控え等を受け取っていないことを不審に思った。クーリング・オフしたい。」

出典｜国民生活センター「電気・ガスの契約トラブル」

やはりこちらも訪問契約でのトラブル事例です。さらに対応が杜撰な場合もあります。このような訪問契約の多くは、ノルマを持つ代理店が行っている場合が多く、電力会社と直接関係がない場合が多いです。

• 機械音声で自動診断アンケートなどと称して、電気のご契約情報（電気料金、電気使用量など）を聞き出そうとする。
• いきなり「契約変更を提案したいので、検針票を見せて欲しい」などと説明し、電気のご契約内容などの個人情報を聞き出そうとする。
• 電気設備の調査などと称して、訪問の約束を取り付けようとしたり検針票に記載されたお客さま番号を聞き出そうとする。

出典｜中部電力 重要なお知らせ 中部電力関係者を装った不審電話や訪問などにご注意ください！

これは最近流行している、電力会社を装い詐欺や窃盗などを行う不審な電話や訪問事例です。電力会社は都市ガスを扱うところも多いため、当トラブルも本記事で紹介しました。

電気ガスの契約でこのようなトラブルに合わないためには、以下のことを心がけましょう。

• 訪問販売は玄関のドアを開ける前に、相手の身分証を確認したり、会社を確認する。あるいはインターホン越しに断る
• 予定外の電話には出ない
• 契約変更の必要はよほどないため、うまい話に警戒する
• 電気ガスの会社を変更したい場合は、こちらから調べて行うようにする
• スマートフォンに迷惑電話のブロックアプリをインストールする

つまり、「こちらが調べる前に相手からやってくる情報は、多くの場合で罠」と覚えましょう。本当にトラブルなくお得に契約したいなら、本記事をチェックしているまさ今のように、多少の手間をかけなければなりません。