日本のICL支持率、世界でも指折りの水準へ

出典:https://www.kozuki-eyeclinic.com
米国の白内障・屈折矯正手術学会(ASCRS)が30年に渡って刊行する眼科専門誌 EyeWorldの最新号(2025年夏号)によると、ICL(眼内コンタクトレンズ)がLASIK(レーシック)を押さえて、日本の国内屈折矯正手術の年間最多症例となりました。
同号内容に関するWeb記事では、2023年に近視矯正手術を行った日本人の『およそ10人に7人がICLを選んでいる』と報じました。
また、同記事では、中国、ロシア、韓国、台湾、アメリカといった諸外国の屈折矯正手術の普及状況についてもまとめられ、各国の主流な屈折矯正手術の術式についても言及されました。
" He noted that the ICL had the highest number of cases in all refractive surgeries in 2023 in the country, performed in 70% of cases, followed by LASIK. "(2023年に日本で行われた全屈折矯正手術のうち、レーシックを押さえICLの症例数が70%を占め、最多となりました。)
日米韓の過去20年間のレーシックとICLの人気動向比較
海外と比べた日本のICL支持率の高さは、Googleトレンドのデータを参照すると、分かりやすいです。

上記は、アメリカ、日本、韓国について、Googleトレンドに記録されている過去20年間の「レーシック」「ICL」の検索キーワード人気度の推移です。
このグラフからは、3カ国のうち『日本が唯一、ICLの人気度がレーシックを上回っている』ことが見てとれます。
※ Googleトレンド...Googleが提供する、検索キーワードの人気度の推移を調べられるツール
ICL普及の火つけ役は、日本人医師のアイディアから生まれた安全性の高い眼内レンズ 「KS-AquaPORT®」

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ICLの普及を後押ししたのは、日本人医師の発想から着想を得て生まれたレンズ「KS-AquaPORT®」の誕生です。
ICLが初めて国内承認を得たのは2010年2月ですが、当初はレンズを挿れることで眼内の「房水」と呼ばれる角膜や水晶体、硝子体といった血管のない組織へ酸素や栄養を供給する役割を持つ液の循環が妨げられることで、白内障が進行するというリスクがあり、国内外ともに現在ほどの普及に至っていませんでした。
そこで、清水 公也 医師によって考案されたのが、レンズの中央に小さな孔(ポート)がつくられたレンズ KS-AquaPORT® です。この改良によって、従来のレンズにあった白内障のリスクが低下し、2014年には KS-AquaPORT® が国内承認を得ます。
清水医師が代表を務めるICL研究会によると、KS-AquaPORT®は現在世界75か国以上で承認されており、2025年前期の時点で、総計300万枚以上が移植されています。
過去数年のうちに東京・大阪にICL専門の眼科クリニックが続々と誕生
2020年以降、東京と大阪を中心に『ICL手術専門』を掲げる医療機関が続々と開院しています。
代官山駅から徒歩3分に位置する「代官山アイクリニック」は、2022年6月の開院以来多くの患者にICL手術を提供しており、2025年7月には分院として恵比寿院を新たに開院。
大阪では2024年7月に、JR大阪駅直結の商業施設内に「ICLクリニックKITTE大阪」が開院。関西初のICL専門クリニックとして注目を集めています。
ほかにも東京・品川では、ICLと白内障手術に特化した眼科クリニックとして「グランドセントラルタワーTokyo アイクリニック」が2025年2月に開院したりと、都市部を中心にICL手術に特化した医療機関が増えつつあります。
【特別企画】ICL経験者が集うオンライン座談会 〜ぶっちゃけICL生活ってどう?〜

10月10日の 目の愛護デー にちなんだ特別企画として、モニタではICL経験者3名を招いたオンライン座談会を開催!自身の体験から、ICLについてのさまざまな本音を伺いました。
ICLを挿れたおかげでできるようになったことってある?

Tsubasaさん:
自分はICLのおかげでスポーツが思いっきりできるようになりました!自分はサッカーをしたり、ジムで汗をかくことが好きなんですけど、そういった日々の運動が快適になりました。特に、コンタクトレンズを着けていたときは運動中に汗をかいたり目に汚れが入ったりして視界が悪くなることがあったんですけど、ICLをしてからは視界がクリアになってすごい動きやすくなりました!ICLは運動にぴったりだと思います。
Harukaさん:
私は災害時の心配がなくなりましたね。裸眼で目が見えるっているだけで安心感がすごくて、本当にやって良かったなって思いますね。
Kanさん:
確かに、身体一つになっても動けるっていう災害時の安心感は僕も考えていましたね。あとは、毎朝の外出するまでにやらないといけないルーティンが減ったっていうのは大きいかなって思いますね。
ICLを挿れたことで不便になったことってある?

Harukaさん:
私の場合、ICLを挿れたことでドライアイがひどくなって目薬の使用頻度が高くなりましたね。それと、手術を受けてから1〜2ヶ月の間は「ハローグレア」っていう光の周りに輪っかが見える現象が少し気になりました。
Tsubasaさん:
私もHarukaさんと同じで、運転をしてるときに、ハイビームじゃないのに光がすごく眩しく見えたりとか、お店の明かりや街頭とかが「あっちょっと眩しいな〜」って感じました。手術から2年経った今はまったくなんともありませんが、手術後1〜2週間とかは特に光に敏感になってましたね。
Kanさん:
私もお二人と同じです。手術前に説明があったように最初の2ヶ月くらいは光の周りにリングが強く見えて、半年ぐらい経ったらもうほとんど感じなくなって、1年経った今は何の不調も感じていないです。手術から2ヶ月くらいは光の見え方がだいぶ強いので、運転するなら3ヶ月経ってからですかね。
唐突に視界が真っ暗になったことも...
Harukaさん:
そういえば、手術から1ヶ月後ぐらいにコンサートに行った日があったんですけど、その日片方の眼が急に見えなくなったことがありました。その時は目薬を差してもなにもしても全然治らなくて...。後日先生に診てもらっても特に異常は見られず、今でも原因は分かりません。
Tsubasaさん:
私もHarukaさんと同じで外出中に視界が急に真っ暗になった経験が2度くらいあります。ほんの一瞬だったんですけど、日中に外を歩いていた時のできごとだったので当時はめちゃくちゃ怖かったですね。後日先生に診てもらいましたが原因は分からなかったです。先生によると、レーシックやICLを受けた人の中には稀にそういった経験をすることがあるみたいです。
Kanさん:
自分は、視界が唐突に真っ暗になるっていうのはありませんが、視界がぼやける経験は何度かあります。「レンズが少しずれちゃったのかな?」と感じるような不調ですね。例えるならコンタクトレンズをしたときの「ゴロゴロ感」のような...。ただ、ほうっておいたら馴染んできて自然と治りました。
家族や親しい人がICLを挿れようか迷っていたらおすすめする?

Kanさん:
おすすめしますね。実際、僕の姉が「いつかはICLを挿れようかな」と言っていたので、僕が受けた病院なら紹介制度みたいなのもあるのでおすすめすると思います。あとは、当日の過ごし方については助言をしますね。僕が手術を受けたところは朝の9時から16時までと検査にすごく時間がかかって、昼食を摂れなかったんですよね。なので「当日は昼食を摂る間もないほどたくさんの検査をすることになるよ」とかは言いたいです。
Harukaさん:
私もおすすめしますね。特にコンタクトレンズをしている人だったら、なるべく早くやった方がコンタクトレンズ代が節約できるし、私がもし20代の頃にお金があったら、もっと早くICLを受けていたと思います。なるべく早いうちに、できれば20代前半とかでやれば一番お得だと思います。あとはレンズの取り寄せにかかる期間については伝えたいですね。私の場合、たまたま自分の眼に合ったレンズの在庫があったのですぐに手術に移れましたが、在庫がないと取り寄せるのに1ヶ月ぐらいは待つことになるので...。
Tsubasaさん:
自分も『若いうちにやった方が良い派』ですね。特にコンタクトレンズをしている人たちからしたらメリットだらけだと思います。若い人の方が免疫力もそうだし、眼がレンズに慣れるまでの期間とかも違うと思います。自分は手術をしてから2年が経った今でもたまに違和感をおぼえる時があるんですけど、生活に支障をきたすほどではないし、費用さえクリアすればぜひICL手術はおすすめですね。
アクセスの良さ と 土日祝診療 は重要
Tsubasaさん:
これからICLを受けようとしてる人に助言するとしたら、やっぱり「定期検診」の話はしたいですね。ICLの術後検診ってかなりの頻度で行くんですよ。それこそ定期検診の大変さを除けば、満足度満点って言えるほどです。手術して最初の1〜3ヶ月とかは、多い人は月に3回ぐらいは検診に行くことになるので、遠くの病院でICL手術を受けた人はめっちゃ大変だと思います。なので、手術を受ける病院はなるべく自分の家から近いところが良いと思います。
Harukaさん:
病院選びなら、手術件数や営業日とかも重要だと思います。私が手術を受けた病院は、東海地方で一番ICLの手術件数が多い病院なんですけど、やっぱりたくさんICL手術をしている病院が良いですね。あとは、私は急なトラブルにも対応してもらえるように土日祝もやってる病院を選びました。
Kanさん:
私も土日祝もやってる病院を選びましたね。万が一真っ暗で何も見えなくなっちゃった時に、土日祝にその病院が診療していなかったら、その日ずっと真っ暗で何もできなくなるので、費用・営業時間・アクセスは大事だと思います。
座談会に参加した人
仮名 | Kanさん |
年齢 | 33歳 |
ICLを挿れた時期 | 2024年10月(約1年前) |
ICLを挿れる前の視力 | 0.01 ※ 眼鏡・コンタクトレンズを併用 |
ICLを挿れようと思ったきっかけ | 好きなビジネスYouTuber・マコなり社長がICL手術を受けたと言う動画を見て、彼がおすすめしていたので興味を持ったのがきっかけ |
仮名 | Harukaさん |
年齢 | 33歳 |
ICLを挿れた時期 | 2023年5月(約2年前) |
ICLを挿れる前の視力 | 0.05 ※ 以前はコンタクトレンズを使用もアレルギーとなり以降は眼鏡を使用 |
ICLを挿れようと思ったきっかけ | 友人がレーシック手術を受けて、とても快適そうにしていたので視力回復手術に興味を持ったのがきっかけ。 |
仮名 | Tsubasaさん |
年齢 | 23歳 |
ICLを挿れた時期 | 2023年10月(約2年前) |
ICLを挿れる前の視力 | 0.02〜0.03 ※ コンタクトレンズを使用 |
ICLを挿れようと思ったきっかけ | サッカーの試合中にコンタクトレンズが目の裏に入ったり、眼にゴミが入って、いちいち取り替えるのが面倒で、そんな時にかかりつけの眼科医にICLをおすすめされたのがきっかけ。 |
本記事に掲載されている体験談は、実際にICL手術を受けた方々の個人的な感想や経験に基づくものです。感じ方や術後の経過には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。