アイシャドウブラシには、それぞれ得意な役割があります。まずは基本となる4つの形状を覚えましょう。

ブラシの毛質は、主に「天然毛」と「人工毛」の2種類。それぞれに得意な仕上がりがあります。

• 天然毛（馬・ヤギ・リス毛など）: キューティクルがあるため粉含みが非常に良く、ふんわりと柔らかい発色になります。ナチュラルで抜け感のある仕上がりにしたい方におすすめです。肌あたりが非常に優しいのも特徴です。
• 人工毛（タクロン・ナイロンなど）: 粉含みが良くも悪くもないため、アイシャドウが見たままの色でしっかりと発色します。ラメやクリーム、リキッドタイプのシャドウにも使える上、天然毛よりお手入れが簡単で耐久性が高いのもメリットです。

• 初心者: まずは何を揃えれば良いか分からない、という方には基本のブラシが揃った「セット」がおすすめです。統一感も出て、コストパフォーマンスも高いです。
• 経験者: すでにいくつかブラシを持っている方は、自分に足りない形状や、挑戦したいメイクに合わせたブラシを「単品」で買い足していくのが良いでしょう。

柄が長いものは、力を入れずにふんわりと色を乗せやすく、短いものは、手元が安定して細かい作業がしやすいという特徴があります。柄の長さを調節できる「持ち運び前提」のものもあります。

自分の目指す仕上がりや、持ち運びするかどうかで選びましょう。

• プチプラ（ロージーローザ、SIXPLUSなど）：低価格ながら高品質なものが多く、初心者さんが最初に試すのに最適。セット品も豊富です。
• デパコス（SHISEIDO、白鳳堂など）： 価格は上がりますが、計算され尽くした形状や極上の肌あたりで、メイクの仕上がりを格段に引き上げてくれる「一生モノ」と出会えます。

安いものと高いものの一番の違いは「毛質」と「毛の密度・カットの精密さ」です。高価なブラシは、肌あたりが良く、粉含みに優れた上質な毛を、計算された形状にカットしているため、テクニックがなくても美しい仕上がりになります。

1. ベースブラシで明るい色をアイホール全体に広げ、まぶたのくすみを飛ばします。
2. メインブラシで中間色をとり、二重幅より少し広めに乗せます。
3. ポイントブラシで濃い締め色を目のキワにライン状に入れます。
4. 最後に、何もついていないブレンディングブラシで、色の境目を優しくなでるようにぼかせば、自然なグラデーションの完成です。

ブラシを清潔に保つことは、美しい仕上がりだけでなく、肌トラブルを防ぐためにも重要です。使用後に都度、粉をティッシュなどでサッと落とすと清潔に保てます。

また、2週間に1回を目安に、専用のクリーナーか中性洗剤をぬるま湯に溶かし、優しく振り洗いしましょう。洗浄後は、タオルで水気をしっかり取り、毛先を整えて風通しの良い日陰で完全に乾かします。

• 人工毛：1～2年ほど
• 天然毛：3～5年ほど

あくまでも目安なので、肌触りが悪くなってきた、毛量が減ってきた、うまくメイクがのらなくなってきた…などと感じたら替え時です。

今回はアイメイクを格上げするアイシャドウブラシの選び方や使い方、そしておすすめの名品を厳選してご紹介しました。

一番大切なのは、たった一本でも専用のブラシを使うだけで、アイシャドウの仕上がりが驚くほど変わるということです。これまで付属のチップや指でメイクをしていた方も、ブラシの役割を知ることで、ご自身に今必要な一本が明確になったのではないでしょうか。

まずは気軽に試せるプチプラのセットから始めてみるのも良いですし、仕上がりの鍵となるブレンディングブラシだけ、一生モノを選ぶというのも賢い選択です。