ICL手術を安心して受けられる病院の探し方
ここでは、ICL手術を安心して受けられる病院の探し方について解説します。
ICL認定医の上級資格医師が在籍する病院から探す
ICL手術は、眼科医であれば誰でも行える手術ではありません。ICLには認定医制度があり、この制度によって認定医ライセンスを取得した医師のみがICL手術の実施を許可されています。
ICLの認定医制度は、ICLの製造・販売をするSTAAR Surgical(スターサージカル社)が運営・管理をしており、認定医ライセンスの取得までには、経歴確認・座学・実技訓練・認定手術といったプロセスを経て、合格する必要があります。
アイクリニック東京(東京都千代田区)院長の北澤 世志博 医師によれば、日本国内のICL認定医の数は年々増えており、2025年3月時点で約400名にのぼるそうです。
今年3月にSTAAR Surgicalのイベントに登壇した北澤 医師は、「医師だけでなく、施設も訪問して医療従事者全員に対する指導も実施しています」と述べ、厳格な基準のもとで認定医制度が運用されていることを強調しました。

そんなICL認定医の中には、認定手術の立会いや技術指導を行うことができるICLインストラクター(指導医)や、認定付与の最終判断や認定医制度の規定に携わるICLエキスパートインストラクターとよばれる上級資格を持つ医師がいます。ICLエキスパートインストラクターの数は、全国で14名(2025年8月時点 自社調べ)おり、北澤 医師もその一人です。
そのため、安全で適切なICL手術を受けられる施設を探している人は、ICLインストラクターやICLエキスパートインストラクターが執刀医として在籍する病院に足を運んでみるとよいでしょう。
▼全国のICLエキスパートインストラクターが在籍する病院
(最終更新日:2025年8月)
病院名 | 所在地 | 有資格者 |
アイクリニック東京 | 東京都 | 北澤世志博 院長 |
ふくおか眼科クリニック中野 | 福岡佐知子 院長 | |
山王病院アイセンター | 清水公也 院長 常廣 俊太郎 副院長 | |
南青山アイクリニック東京 | 三木 恵美子 副院長 | |
めじろ安田眼科 | 安田 明弘 院長 | |
代官山アイクリニック | 五十嵐章史 院長 | |
宮田眼科 東京 | 神谷和孝 医師 | |
グランドセントラルタワーTokyo アイクリニック | 市川一夫 医師 | |
先進会眼科 名古屋栄 | 愛知県 | |
中京眼科 | ||
名古屋アイクリニック | 中村友昭 院長 小島隆司 医師 | |
フジモト眼科 | 大阪府 | 藤本可芳子 院長 |
レイクリニック | 兵庫県 | 松本 玲 院長 |
眼科こがクリニック | 熊本県 | 古賀貴久 院長 |
アフターケアが手厚い病院から探す
どこの病院でICL手術を受けるか決めるうえでは、術後のサポートの内容をチェックすることも重要です。なぜなら、術後にレンズのサイズや度数が合わず再手術が必要となるケースが実際にあるからです。また、アフターサポートの内容や期間は病院によってさまざまで、手術にかかる費用のみで病院を決めてしまうと、のちに「再手術代や追加でかかった費用を考えると、手術費用は少し高いけどあっちの病院の方がお得だった」なんてこともあるかもしれません。
▼この記事で紹介している病院の手術費用とアフターケアの一例
(最終更新日:2025年8月)
病院名 | 手術費用とアフターケアの内容 |
品川近視クリニック 札幌院 (北海道札幌市) | 手術代:427,000円(※1) 術後検診の無料期間:3年間 再手術の無料期間:3年間 |
札幌かとう眼科 (北海道札幌市) | 手術代:660,000円 術後検診の無料期間:3ヶ月間 再手術の無料期間:ー |
札幌せきや眼科 (北海道札幌市) | 手術代:700,000円 術後検診の無料期間:ー 再手術の無料期間:ー |
大橋眼科 (北海道札幌市) | 手術代:633,000円 術後検診の無料期間:ー 再手術の無料期間:ー |
※ 費用はすべて税込。 乱視・遠視なしの場合。 公式サイトに記載がない場合は「ー」と表記
※ クリックすると記事内の各病院紹介へ飛びます
※1 -4D以上の場合:+55,000円 / 片眼
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症例実績の多い病院から探す
ICL手術を受けるうえで、病院の手術実績(=症例数)を確認するのもとても大切です。病院によっては、ホームページで症例数を公表している場合もあります。また、病院自体の手術実績のほかに、執刀医の経歴なども見ておくとなお安心です。この記事では、福岡でICL手術が受けられる9つの病院が各ホームページで公表している症例数を下記のように表でまとめ、随時更新しています。
▼この記事で紹介している病院が公表している症例実績
(最終更新日:2025年8月)
病院名 | 公表している症例実績 |
品川近視クリニック 札幌院 (北海道札幌市) | 6,533件 (2019年6月〜2025年4月) |
札幌かとう眼科 (北海道札幌市) | ー |
札幌せきや眼科 (北海道札幌市) | ー |
大橋眼科 (北海道札幌市) | ー |
※ 公式サイトに記載がない場合は「ー」と表記
※ クリックすると記事内の各病院紹介へ飛びます
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札幌でICL手術を受けられる病院4選
ここでは札幌のICL手術ができる病院を4選紹介します。「自分に合っている視力矯正の方法を知りたい」「自分はICL手術ができる目なのか知りたい」という方は、気になった病院に一度来院し、ICLの適応検査を受けてみることをおすすめします。
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品川近視クリニック 札幌院(北海道札幌市)
品川近視クリニック 札幌院のおすすめポイント |
術後検診代3年間無料、再手術代3年間無料◎ 症例実績6,533件(※1)◎ |
▼料金表
コース | 料金 |
ICL(度数-4D未満) | 427,000円 |
ICL(度数-4D以上) | 537,000円 |
▼診療時間
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
10:00~ 20:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
▼アクセス
住所 | 北海道札幌市中央区北4条西5-1 アスティ45ビル2F |
最寄り駅 | 札幌駅南口より徒歩5分 |
問合せ先 | 0120-412-049 |
※ 料金はすべて税込
※ 料金は両眼施術した際の費用(乱視の場合:+50,000円 / 片眼)
※1 期間:2019年6月〜2025年4月
施設紹介
品川近視クリニックは、品川美容外科や品川スキンクリニックといった美容外科・美容皮膚科の専門クリニックを運営する医療法人社団 翔友会によって運営されている、視力回復治療専門クリニックです。
2004年10月に東京院を開院して以来、2006年6月に大阪院、2008年1月に名古屋院、2009年1月に福岡院、2011年1月に札幌院を開院し、現在は全国5都市に展開しています。
診療内容はレーシック、ICL、フェイキックIOL、老眼治療、角膜クロスリンキング、飛蚊症レーザー治療などを主力分野とし、自由診療で提供しています。一般保険診療としては白内障手術を行っています。
東京院 院長の湯川 聡 医師によると、日本でレーシックを受ける方の約70%(同院推計)が品川近視クリニックを選んでいるとされるそうです。
また、2019年から2024年にかけ6年連続でICL国内最多症例数の実績について、STAAR Surgical(スター・サージカル)社から表彰を受けたとホームページに公表されています。
ほかにも品川近視クリニックのホームページには、各院のレーシック・ICLの累計症例数を詳細に公表しており、症例実績に強い自信を示していることがわかるクリニックです。
同ホームページによると、来院する患者の約7割は、品川近視クリニックで施術を受けた知人からの紹介とのこと。
口コミや症例数の多さを重視して視力矯正に臨みたいという人は、全国5ヶ所に展開する品川近視クリニックに足を運んでみてはいかがでしょうか。

札幌かとう眼科
札幌かとう眼科の基本情報 | |
レーシック 手術費用 | - |
ICL手術費用 | 660,000円(税込) |
モニター募集 | なし |
日本眼科学会認定専門医 | ○ |
ICL認定医 | ○ |
医師名 | 加藤 祐司(院長) |
クリニック所在地 | 札幌市東区北31条東16-1-22 |
アクセス | 地下鉄・東豊線新道東駅「5番出入口」より徒歩5分 無料送迎サービスあり |
駐車場 | 16台 |
電話番号 | 011-780-2111 |
受付時間 | 平日9:00~11:00 14:00~17:00 土曜9:00~11:00 |
休診日 | 日曜日 |
* 自由診療のため保険適用外
札幌せきや眼科
札幌せきや眼科の基本情報 | |
ICL手術費用 | 700,000円(税込) |
レーシック 手術費用 | - |
モニター募集 | なし |
日本眼科学会認定専門医 | ○ |
ICL認定医 | ○ |
医師名 | 関谷 恵悟(院長) |
クリニック所在地 | 札幌市西区西町北8丁目1−8 |
アクセス | 札幌市営地下鉄東西線発寒南駅「出口1」より徒歩5分 バス停「西町北7丁目」より徒歩1分 |
駐車場 | 10台 |
電話番号 | 011-699-5040 |
受付時間 | 9:00~12:00 13:30~17:00 |
休診日 | 木曜日 |
* 自由診療のため保険適用外
大橋眼科
最良の医療サービス 患者や家族の方の意思と権利を尊重し、信頼される医療サービスを提供します。 医療水準の向上 地域への適正な医療の提供を目指し、高度・先進医療を積極的に取り入れます。また、治療に専念できるよう、快適で人にやさしい医療環境を目指しています。 たゆみない研究と幅広い教育 医療の質やサービス向上のために、たゆみない研究と幅広い教育、研修に励みます。また全職員が一体となり病院経営の健全化に努め、働きやすい環境、業務体制を目指しています。
大橋眼科の基本情報 | |
ICL手術費用 | - |
レーシック 手術費用 | - |
モニター募集 | なし |
日本眼科学会認定専門医 | ○ |
ICL認定医 | ○ |
医師名 | 大橋 勉(院長) |
クリニック所在地 | 札幌市白石区本通6丁目北1-1 |
アクセス | 地下鉄東西線南郷7丁目駅「1番出口」より徒歩15分 JR白石駅より徒歩15分 JRバス「本通5丁目」より徒歩2分 中央バス「本通3丁目北」より徒歩5分 |
駐車場 | あり |
電話番号 | 011-864-4656 |
受付時間 | 月・火・水・金9:00~12:00 14:30~18:00 木・土9:00~12:00 |
休診日 | 木曜午後・土曜午後・日曜日 |
* 自由診療のため保険適用外
【特集】東京・大阪に新たに開院したICL専門クリニック
2024年4月〜2025年8月の間に開院したICL専門クリニックを3院紹介します。
グランドセントラルタワーTokyo アイクリニック(東京・品川)
グランドセントラルタワーTokyoアイクリニックは、2025年2月5日に品川駅 港南口徒歩3分のグランドセントラルタワー16階に開院した、ICL手術と白内障手術に特化した完全自費診療の眼科クリニックで、ICLや老視対応ICL、白内障手術、多焦点レンズ治療に対応しています。
主任執刀医は中京眼科 視覚研究所 所長の市川 一夫 医師で、日本でも数少ないICLシニアエキスパートインストラクターの一人で、手術費用に100,000円(税込・両眼)を追加することで指名が可能です。
代官山アイクリニック 恵比寿院(東京・恵比寿)
代官山アイクリニック 恵比寿院は、2025年7月に開院したばかりのICL専門クリニックです。
本院の代官山アイクリニックは2022年に開院しており、ICLエキスパートインストラクターの資格を持つ五十嵐 章史 医師が本院と分院の両方の院長を務めています。
ICLクリニックKITTE大阪
ICLクリニックKITTE大阪は、2024年7月31日にJR大阪駅直結の商業施設 KITTE 大阪の6階に開院した、関西初のICL専門クリニックです。
運営母体の豊栄会グループは、アイクリニック東京をはじめとする国内の豊富なICL手術の実績があり、ICLクリニックKITTE大阪 執刀医の貞松 良成 医師も、ICLインストラクターの資格を持っています。
日本のICLを牽引する3人の名医|ICL製造販売会社のイベントに登壇
ICL(Implantable Contact Lens・眼内コンタクトレンズ)の製造販売を行うスターサージカル株式会社は、今年3月にメディア向けセミナー「急増する近視と視力矯正の最前線-ICL 治療」を開催しました。
セミナーでは、スターサージカル社実施の男女300名を対象とした「近視矯正治療と近視に関する意識調査」の結果についての報告があったほか、国内のICL治療を牽引する3名の医師が登壇。日本のICL治療の現状と今後の展望について、熱いディスカッションを展開しました。
レンズ開発に携わった清水医師がICLについて解説
ICL治療は、虹彩と水晶体の間にレンズを挿入することで、光の屈折を調整し、近視や乱視を矯正する治療です。
壇上で清水医師は「レンズを挿入するのに必要な切開創は約3ミリと非常に小さく、日帰り手術も可能です」と発言。
さらに、ICL治療の特徴として「日常のあらゆる場面を裸眼で過ごすことができ、レンズがくもったり汚れたりしないので、日々のお手入れやメンテナンスも不要です」と説明しました。
術後の経過についても「眼に優しい素材を使用しているため、半永久的に使用可能ですが、必要な場合には、手術でレンズを取り出すことも可能です」と添えました。
山王病院アイセンター センター⾧|清水 公也 医師
東京大学大学院で博士号を取得、武蔵野赤十字病院眼科部長を経て北里大学眼科学教室で教鞭を執る。白内障をはじめとする前眼部手術を専門とし、自らの手技の研鑽や後進の教育にあたる。白内障手術、屈折矯正手術における日本のリーダー的存在で、その業績は海外でも高く評価されている。
https://sannoclc.or.jp
▼ 略歴
1976年 北里大学医学部卒業
同年 北里大学医学部眼科学教室入局
1978年 東京大学医学部眼科学教室
1984年 東京大学医学博士
1985年 武蔵野赤十字病院眼科部長
1998年 北里大学医学部 眼科学教室 主任教授
2016年 山王病院アイセンター センター長 国際医療福祉大学臨床医学研究センター 教授
▼ 資格等(抜粋)
日本眼科学会認定眼科専門医
難病指定医
外国人修練指導医
ICL シニアエキスパートインストラクター
ICL研究会 世話人代表
ベストドクターズ 2024〜2025 認定
中京グループ 会長の市川医師は、災害時のICLの活躍を強調
市川医師は、東日本大震災の直後に来院した患者の「コンタクトレンズが使えなくなり、ほとんど何も見えなくて、とても怖い思いをした」という話を紹介。
市川医師によれば、東日本大震災以降、ICL治療を希望する人が増加しているそう。
眼鏡やコンタクトレンズといった従来の近視矯正法は、物理的な破損のリスクや、断水などできれいな水が確保できない場合のメンテナンスが難しいといった、災害時の不安がつきものでした。
市川医師は、災害の備えとして、ICL治療のベネフィットは大きいと指摘します。
本セミナーでスターサージカル社が紹介した意識調査の結果でも、対象者の約6割が「災害時の眼鏡・コンタクトレンズについての不安をなくしたい」と回答していました。一方で、実際に何らかの対策を実施している人は、約1割から2割程度でした。
市川医師は「強度近視の人たちの中には、眼鏡などの矯正手段を失うと途端に生活が困難になってしまう場合もあります」と述べ、日頃から対策を考えておくことの大切さを訴えました。
中京グループ 会長|市川 一夫 医師
1978年愛知医科大学医学部医学科卒業。名古屋大学大学院医学研究科外科系眼科学修了。社会保険中京病院眼科医長、主任部長を経て94年に中京グループを設立。中京眼科視覚研究所所長、中京メディカル代表。日本白内障屈折矯正手術学会(JSCRS)理事長。
https://yab.yomiuri.co.jp
▼ 略歴
1978年 愛知医科大学卒業
同年 名古屋大学眼科学教室入局
1983年 名古屋大学大学院修了
1986年 社会保険中京病院眼科主任部長
2002年 大連医科大学客員教授
2003年 北里大学医学部非常勤講師
2014年 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院眼科顧問
2014年 医療法人いさな会中京眼科視覚研究所所長
2017年 ハルビン医科大学付属第四病院客員教授
2020年 日本白内障屈折矯正手術学会理事長
2025年 グランドセントラルタワーTokyoアイクリニック主任執刀医
▼ 資格等(抜粋)
日本眼科学会認定眼科専門医
医学博士
中国大連医科大学客員教授
ICLシニアエキスパートインストラクター
ICL研究会 世話人
ベストドクターズ 2016〜2025 認定
日本眼科手術学会 理事の北澤医師が、認定医制度による「ICLの確かな安全性」について説明
ICL治療の手術は誰でもできるわけではありません。
ICLの製造と販売を行うスターサージカル社が運営・管理を行っている認定医資格を取得した眼科専門医だけが、ICL治療の手術をすることが許可されています。認定医の数は年々増加しており、現在は全国で約400名にのぼります。
北澤医師によると、手術自体は非常に効率化されており、北澤医師によると、両眼の手術でも平均9分から10分で完了するといいます。
認定医制度について、北澤医師は「医師だけでなく、施設も訪問して医療従事者全員に対する指導も実施しています」と述べ、厳格な基準のもとで認定制度が運用されていると説明しました。
スターサージカル メディアセミナー|「急増する近視と視力矯正の最前線-ICL 治療」 を開催
アイクリニック東京 院長|北澤 世志博 医師
福井大学医学部医学科卒業。東京医科歯科大学医学部眼科、医療法人ひかり会パーク病院眼科部長、東京医科大学医学部眼科客員講師を経て、2019年より、アイクリニック東京の執刀責任者となる。日本眼科学会認定専門医、日本眼科手術学会理事、ICLエキスパートインストラクター。これまでに5,000件のICL手術執刀を行う。
https://crea.bunshun.jp
▼ 略歴
1990年 福井大学医学部医学科卒業後、東京医科歯科大学医学部眼科入局
1993年 川口医療センター 眼科
1994年 白岡中央総合病院 眼科
1999年 東京医科歯科大学医学博士取得
2000年 旧神戸神奈川アイクリニック 診療部長(〜2018年)
2001年 医療法人ひかり会パーク病院 眼科部長
1999年 東京医科歯科大学医学部眼科 非常勤講師(〜2001年)
2004年 東京医科大学医学部眼科客員講師(〜2009年)
2019年 医療法人社団豊栄会 アイクリニック東京 執刀責任者
2023年 医療法人社団豊栄会アイクリニック東京サピアタワー 院長
▼ 資格等(抜粋)
日本眼科学会認定眼科専門医
日本眼科手術学会理事・学術委員
日本白内障屈折矯正手術学会会員
日本角膜学会会員
医学博士
ICLエキスパートインストラクター
ICL研究会 世話人
ICL手術についてのよくある質問
ここでは、ICL手術に関するよくある質問をまとめています。
- ICL手術に後遺症や合併症はないの?
- レーシック手術とICLの違いは?どっちが安全?
- ICL手術で老眼になりやすくなるって本当?
- ICL手術に年齢制限はある?
- ICL手術で黒目が大きくなるって本当?
- ICL手術後に視力が低下することはある?
- ICL手術をしたらドライアイになる?
- レーシック・ICL以外にも視力矯正の方法はあるの?
- ICL手術前の検査では何をするの?
- プランの説明で出てくる「D」って何のこと?
- モニター制度を使えば費用は安くなる?
- ICL手術に高額療養費制度は使える?
- 手術までにはどれくらい時間がかかる?
- 手術中や術後に痛みはある?
- 笑気麻酔をしてくれる病院はある?
- 手術後は仕事を休む必要がある?
- ICLを受けてもカラーコンタクトは使える?
- ICLレンズの寿命はある?
- 数年後に視力が落ちたらどうなる?
- ICLの10年後、20年後にリスクはある?
- 老眼でもICL手術は受けられる?
- そもそもICLって日本で承認されているの?
ICL手術に後遺症や合併症はないの?
ICL手術はレーシックに比べて後遺症のリスクが少ないとされていますが、完全にリスクがないわけではありません。代表的な症状としては、夜間に光がまぶしく見える「ハロー・グレア」などが挙げられます。これらの症状は時間の経過とともに軽減することが多いですが、術後の経過には個人差があります。
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レーシック手術とICLの違いは?どっちが安全?
レーシックは角膜の表面を削って視力を矯正する手術です。費用が比較的安く、術後の視力回復が早いことが特徴であり、費用の相場は20〜30万円程度です。早ければ手術の翌日から日常生活に戻ることが可能です。
一方、ICL(眼内コンタクトレンズ)は、角膜に小さな切開を入れて目の中にレンズを挿入する手術です。最大の特長は安全性が高い点で、ICL認定医のみが施術できます。レンズは取り外しが可能であり、将来的に元の状態に戻すこともできます。
ただし、ICLはオーダーメイドのレンズを使用するため費用が高額で、手術までの準備期間も長くなる傾向があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の目の状態に適した方法を事前検査で確認しましょう。
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ICL手術で老眼になりやすくなるって本当?
老眼は加齢によって誰にでも起こる自然な現象です。ICLやレーシックといった屈折矯正手術の有無に関係なく発症します。
ただし、もともと強い近視の人は手元にピントが合いやすいため、手術によって遠くが見えるようになることで、老眼の症状を通常よりも早く自覚する場合があります。
ICL手術に年齢制限はある?
ICL手術は18歳未満の未成年者には適応されません。上限年齢の明確な制限はありませんが、加齢に伴って白内障や老眼など他の眼疾患を持っている可能性があるため、まずは適応検査を受けて判断することが大切です。
ICL手術で黒目が大きくなるって本当?
ICL手術によって黒目の大きさが変わることはありません。しかし、視力が改善することで目を細める癖がなくなり、結果として目が大きくなったような印象を与えることはあります。
ICL手術後に視力が低下することはある?
ICL手術では装着したレンズが劣化しにくく、視力が長期間にわたって安定しやすいとされています。レーシックと比べると「近視の戻り」が起こりにくいため、長期的に見ても視力が落ちにくいと考えられています。
ただし、加齢や別の眼疾患によって視力が変化する可能性はあるため、定期的に眼科で検診を受けることが大切です。
ICL手術をしたらドライアイになる?
ICL手術では非常に小さな角膜切開を行うため、角膜の形状に大きな変化がなく、涙の分泌に与える影響も少ないとされています。そのため、術後にドライアイを発症するリスクは比較的低いといえます。
また、もともとコンタクトレンズを使用して目が乾きやすかった方の中には、ICL手術によってドライアイの症状が軽減されるケースもあります。コンタクトやレーシックが難しいと診断された方でも、ICLなら手術可能な場合があるため、一度医師に相談することをおすすめします。
レーシック・ICL以外にも視力矯正の方法はあるの?
視力を矯正する方法は、レーシックやICLだけではありません。
たとえば、就寝中に専用レンズを装着して角膜の形を矯正する「オルソケラトロジー」など、このほかにも、目の状態や生活スタイルに応じたさまざまな手法が存在しているため、自分の目に合った治療法を選ぶ必要があります。
また、レーシックやICLのみを扱う医院では、万が一適応しなかった場合に他の医院を紹介されたり、説明が不十分なまま手術が進んでしまったりするおそれがあります。こうしたトラブルを避けるためにも、慎重に医院を選ぶようにしてください。
視力矯正の手段にこだわらず、複数の選択肢から自分に合った方法を提案できる医院を選ぶことが大切です。
ICL手術前の検査では何をするの?
ICL手術の前には、「適応検査」と呼ばれる検査を行い、近視・遠視・乱視の度数を測定したうえで、ICLを装用できる目の状態かどうかを確認します。
この検査によって、使用するレンズの度数やサイズを決定します。検査にはおおよそ1〜2時間ほどかかります。また、検査中に使用する「散瞳剤」(瞳孔を広げる目薬)の影響で視界がぼやけるため、当日は車やバイクの運転を控え、電車などの公共交通機関を利用して来院することをおすすめします。
さらに、40歳以上の方には、ICL手術後の見え方を想定した「遠視の見え方体験」を行っている医院もあります。
プランの説明で出てくる「D」って何のこと?
「D(ディオプター)」とは、視力の度数を表す単位です。-10.0D未満から+6.0D程度の範囲が一般的で、マイナスの値は近視、プラスの値は遠視を示します。数値が大きくなるほど視力の矯正が必要な度合いは強くなります。
強度近視や強度遠視の場合は、レンズの設計が複雑になりやすく、手術費用も高くなる傾向があります。
自分の視力の度数は、眼鏡やコンタクトレンズの処方箋に記載されているため、一度確認しておくとよいでしょう。
モニター制度を使えば費用は安くなる?
モニター制度を利用することで、通常よりも手頃な費用で手術を受けられる場合があります。
たとえば、手術後に口コミや顔写真の掲載に協力することを条件として、割引価格が適用されるケースがあります。ただし、モニターの条件は医院ごとに異なります。自分がその条件に該当するかを事前に確認したうえで、応募するかどうかを判断してください。
ICL手術に高額療養費制度は使える?
ICL手術は、美容目的の自由診療に該当するため、公的な高額療養費制度の対象にはなりません。
そのため、費用を少しでも抑えたい場合は、医療費控除の申請や、生命保険の手術給付金が適用されるかどうかを確認することをおすすめします。
手術までにはどれくらい時間がかかる?
レンズの在庫状況によって異なりますが、取り寄せが必要な場合は手術までに3週間〜3ヶ月ほどかかることがあります。
適応検査と最終検査を終えたあとに、目の状態に合わせたレンズの度数を決定します。ICLのレンズは主にアメリカやヨーロッパで製造されており、在庫がない場合には取り寄せに時間がかかることがあります。
また、ハードコンタクトレンズを使用している方は、検査精度を確保するために4週間以上装用を中止する必要があります。ソフトコンタクトレンズの場合でも、最低3日以上は使用を中断しなければなりません。
手術中や術後に痛みはある?
ICL手術では点眼麻酔(目薬タイプの麻酔)を使用するため、手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、目を大きく開いた状態で手術を行うため、わずかに眼球が押されるような感覚を覚えることがあります。もし途中で痛みを感じた場合には、麻酔を追加できることもあるため、すぐに医師に伝えてください。
手術後は、麻酔が切れたタイミングで軽い痛みや異物感を覚えることがありますが、多くの場合、時間の経過とともに自然に治まっていきます。
笑気麻酔をしてくれる病院はある?
一部の医院では、希望すればICL手術中に笑気麻酔を施してくれる医院もあります。
- 先進会眼科 東京(新宿区)
- 代官山アイクリニック(渋谷区)
- 南青山アイクリニック東京(港区)
- 経堂あそう眼科(世田谷区)
手術後は仕事を休む必要がある?
手術当日は薬剤の影響により視界がぼやけることがあるので、安静に過ごすことをおすすめします。特に、車の運転は必ず避けましょう。
術後の視力は数日から1週間程度で安定していきます。また、ICL手術後のメイクは、一般的には眼の周りを避ければ翌々日から可能です。
ICLを受けてもカラーコンタクトは使える?
ICL手術をしてもカラーコンタクトをつけることはできます。
ICL手術は目の内部にレンズを挿入する方法であり、目の表面には変化がないためです。ただし、術後すぐは目が安定していないため、一般的には3か月程度の経過を見たうえで、医師に相談してからつけることが推奨されています。
ICLレンズの寿命はある?
ICLのレンズに" 寿命 "はありません。
また、ICLのレンズは耐久性と生体適合性の高い素材のため特別なメンテナンスや交換は必要ありません。ただし、加齢によって自然に視力が変化し、挿入したレンズの度数が合わなくなった場合は、レンズの取り出しや再手術が必要になることもあります。
数年後に視力が落ちたらどうなる?
視力が低下した場合でも、保証期間内であれば1回まで無料で再手術を行なってくれる医院が多いです。
保証期間は1〜3年間で定められている場合が多く、その期間内であれば何度でも相談や検診を受けることができます。視力に不安を感じた場合は、できるだけ早めに受診してください。
ICLの10年後、20年後にリスクはある?
近年主流となっている「ホールICL」の登場により、白内障などの合併症リスクは大幅に減少しています。
過去には、レンズが目の中の房水(ぼうすい:眼球内を循環する液体)の流れを妨げて、水晶体が濁り、白内障が進行してしまうケースが報告されていました。しかし、現在はレンズ中央に小さな穴を開けて房水の流れを確保する「ホールICL」が一般的に使用されており、そういったリスクは抑えられています。
とはいえ、どんな医療でもリスクが完全にゼロになるわけではありません。ICL手術を検討しているのであれば、メリットだけでなく、将来的な影響についても必ず事前に理解しておきましょう。
老眼でもICL手術は受けられる?
老眼の場合は、老眼に対応した多焦点眼内レンズ「IPCL」を使用します。
ただし、片眼あたり約40万円と高額であり、対応している医院も限られています。老眼のある方は、事前に対応できる各医院を確認したうえで検討しましょう。
そもそもICLって日本で承認されているの?
ICL(眼内コンタクトレンズ)は、2010年に厚生労働省から屈折矯正手術のひとつとして承認を受けています。
当時のICLは、房水の循環を妨げる可能性がある構造だったため、白内障などのリスクが指摘されていましたが、現在では中央に小さな穴を開けて房水の流れを保つ「ホールICL」が一般に普及しています。